【保存版】業務用洗濯機の選び方とメーカー比較|価格相場・導入ポイントを徹底解説

日々、大量のリネンやユニフォームを扱う現場において、「洗濯」は単なる作業ではなく、施設の信頼性やコスト効率に直結する重要な業務です。
もし、貴社・貴施設の洗濯業務が以下のような課題に直面しているなら、それは業務用洗濯機の導入を検討するタイミングかもしれません。
 
「家庭用の延長では限界。すぐに故障して業務が止まってしまう」
「人件費と作業時間がかかりすぎ、コストを圧迫している」
「血液や油汚れなど、特殊な汚れを徹底的に落とし、衛生基準をクリアしたい」
「数年で買い替えになる耐久性の低い機器に困っている」
 
業務用洗濯機は、家庭用とは一線を画す「高耐久性」「大容量」「高機能」を備えた、まさしくプロ仕様の産業機器です。本ガイドでは、洗濯業務の効率化と衛生管理を盤石にするため、家庭用との決定的な違いから、最適な機種を選ぶための5つのステップ、気になる導入コスト、そして業務用洗濯機メーカーの特長まで、失敗しないための情報を解説します。


 

1. 業務用洗濯機が必要な理由|家庭用との違い

家庭用と業務用は価格では大きなひらきがありますが、それ相応の機能性や耐久性での大きな違いがあります。

項目業務用洗濯機家庭用洗濯機
耐久性と寿命 法定耐用年数は15年ですが、30年近くご利用いただくこともあります。毎日、十回以上の連続運転に耐える高堅牢設計。メーカーによっては部品の長期提供体制を整備しています。 1日1~2回の使用を想定。高頻度使用の場合、1~2年で故障するケースもあり、業務ストップのリスクが高い。
処理容量 10kg〜100kg超まで幅広いラインアップ。事業規模に応じた選定が可能。特に大型洗濯機は、大量のリネン処理に強みを発揮します。 最大でも12kg程度。業務で扱うリネン類などの大量処理には不向き。
洗浄機能と薬剤耐性 洗剤の最大効力を発揮する60℃までの高温に耐えられる。過酸化水素、次亜塩素、アルカリ剤など、強力な業務用洗剤・薬剤の使用が可能。徹底した衛生管理を実現。 材質(プラスチックなど)が弱く、高温や強力な洗剤・薬剤の使用は不可。衛生管理に限界がある。
設置条件(インフラ) 本体重量が数百kgに及ぶため、床の耐荷重工事が必須。三相200V動力電源、専用の給排水が必要。蒸気配管接続での熱水洗濯も可能。 30~45kg程度。一般的な住宅の床強度で設置可能。単相100V電源と一般的な配管で対応。


導入のメリット

・故障リスクの低減と業務の継続性確保
・高温殺菌や強力洗剤による徹底した衛生管理
・大型洗濯機による大量処理で、人件費と作業時間の削減
 

2. 最適な業務用洗濯機を選ぶための5ステップ

業務用洗濯機は多くの容量と機能性があります。1日に洗濯する品物の種類、数量を基準に選定していきます。
 

2-1. 必要な処理容量を計算する(大型・大量洗濯)

検討要素内容
洗濯物の種類と総量       主に日本国内で使われている基準。一定の衣類構成(シャツ・バスタオルなど)を使って容量を評価します。
必要容量の計算 一般的な洗濯サイクルを40~50分程度と想定し、1日の営業時間内に確保できる洗濯回数から、必要な容量を割り出します。
計算例 1日100kgを処理する場合、4回転(1日約3〜4時間)で完了させるには、25kgクラスの業務用洗濯機が目安となります。
 

2-2. 乾燥・仕上げまでのトータル効率を考慮

業務用洗濯機の選定では、洗濯機単体ではなく、乾燥・仕上げ工程を含めた「トータルでの作業効率」を最優先に考える必要があります。一般的に水洗機と乾燥機はセットで稼働することが多いため、全体の作業時間と連動させて機種・容量を決定します。
特に、アイロンやタタミなどの「仕上げ作業」がある場合は、この作業時間を考慮した上で、洗濯機が1日に処理できる適切な容量を割り出すことが重要です。
例えば、8時間の作業時間という前提で、洗濯機をフル稼働(8時間で8回転など)させてしまうと、その後の出し入れ、運搬、そして仕上げ作業を行うための時間が確保できません。したがって、仕上げ作業や付随作業(出し入れ・運搬など)に必要な時間を見込み、それを差し引いた「実質的な洗濯機の稼働時間」に基づいて、最適な処理容量を決定する必要があります。

● 乾燥機との容量バランス
洗濯機から乾燥機への出し入れ作業を効率化するため、洗濯機と乾燥機は同じ容量クラス(例:30kgと30kg)で揃えるのがスタンダードな選び方です。容量に偏りがある場合、作業ロスが生じやすくなります。

● 仕上げ機器の選定
量が多い場合にはタオルフォルダーといった折りたたみ機の導入により、大幅な作業時間の短縮が実現できます。また、アイロナー(仕上機)も一人で稼働できる機械もあります。これらの仕上げ機器の導入はイニシャルコストがかかりますが、手作業による人件費との比較を考慮した上で、業務用洗濯機の選定とともに重要な検討ポイントとなります。

仕上作業の想定は専門的な知見が必要です。業務用洗濯機メーカーでもノウハウをもっていますので、大型洗濯機などの機種選定に関しては、作業動線やトータルの作業時間を考慮したご提案を受けるためにも、専門メーカーや専門代理店へのご相談をおすすめします。
 

2-3. 熱源を選ぶ(電気式 or 蒸気式 or ガス式)

汚れによっては熱水洗濯が必要な場合があります。その場合、熱水対応の業務用洗濯機を導入します。これは電気で熱水を作るケースと、蒸気と結合することにより熱水を作るケースがあり、業務用洗濯機ならではの機能です。衛生管理が厳しい病院や介護施設、食品工場などでニーズがあります。


方式特徴導入施設例
電気式
(熱水対応)
設置が容易で小型施設向け。電源容量は必要だが、80℃・10分などの熱水処理で衛生管理基準に対応可能。 病院、介護施設、小型クリニック
蒸気式
(熱水対応)
ボイラー設備がある大規模施設向け。蒸気配管接続により、効率的かつ低コストで熱水処理が可能。 大規模病院、食品工場、リネン工場
※熱源がガスの場合、外部設備のガス給湯器から熱水を洗濯機へ給湯することも可能です。
 

2-4. 作業効率を上げる便利機能

日々のルーティン作業の負担軽減と品質安定のために、オプション機能の検討は不可欠です。山本製作所では以下のオプションがあります。

● 洗剤・助剤の自動投入機能
重労働である洗剤投入作業を自動化し、正確な投入量で洗浄品質の安定化とコスト管理に貢献します。コスト重視で大容量洗剤を使用する場合に必須です。

● ドアの開き方向
洗濯機と乾燥機を向かい合わせるなど、施設のレイアウトに合わせて右開き・左開きを組み合わせ、作業動線を最適化します。

● 
給湯電磁弁
外部の給湯設備(例:ガス給湯器、ボイラーなど)から供給される温水を洗濯機へ取り込むための弁です。常温水と温水を切り替えたり混合したりして、指定温度での洗濯を可能にします。

● 
エプロン(落下防止カバー)
ドラム下部と前面パネルのわずかな隙間に、洗濯物が落ち込むのを防ぐためのカバーです。特に小物やタオル類を多く扱う現場で有効です
 

2-5. 導入シーン別の選定ポイント

業務用洗濯機の最適な選定は、施設の業種や扱う洗濯物の種類によって異なります。特に重視すべき「容量」「機能」「耐久性」のポイントを、主要な導入シーン別にご紹介します。


導入シーン求められるポイント
ホテル・旅館       シーツ、タオル、浴衣などのリネン類の大量処理。高い仕上がり品質。大型洗濯機のほか、ロールアイロナーやタオルフォルダーも含めた連携。
病院・介護施設 感染対策が最重要。厚生労働省のガイドラインに対応した熱水対応(80℃・10分など)機能が必須。洗浄履歴を残せる洗濯記録機能も重要
工場・作業服クリーニング 油汚れ、グリスなど特殊な汚れへの対応。油分や粉塵に強く、機械の故障リスクが少ない高耐久設計の機種。
温浴施設 タオル、館内着などの連続洗濯。洗濯・乾燥サイクルを短時間で繰り返すためのスピードと、連続稼働に耐える耐久性、省エネ性。
 

3. 設置環境とインフラの確認

業務用洗濯機は産業機器であり、家庭用とは異なり特別な設置環境やインフラを必要とします。

【設置場所の制約(スペース)】

洗濯機の本体サイズと搬入経路の確認。特に大型機は搬入口や廊下の幅が重要です。

● 床の耐荷重
洗濯槽に水と洗濯物が入ると本体重量は数百kgになるため、床の耐荷重を確認・強化する工事が必要になる場合があります。脱水時の振動を固定するアンカー工事も必須です。

● 
設置スペース
長期利用とトラブル時の対応を想定し、左右40~50cm、背面50cm程度のメンテナンススペースの確保が必要です。

【必要なインフラ設備】

● 電源容量(動力)
電気式熱水対応機や大型洗濯機は、大きな動力電源(三相200Vなど)が必要です。現在の建物の電気設備容量で賄えるか、増設が必要かを確認します。容量が小さい場合は単相100V仕様もあります。

● 給水・排水設備
十分な水圧と配管の太さ(口径)が必須です。圧力が低いと給水時間が長くなり、エラーにつながることもあります。また、洗剤や汚れの種類によっては排水処理設備(中和槽など)の設置が必要となる場合があります。

● 
排気・換気設備
業務用洗濯機と合わせて乾燥機を導入する場合、熱源の配管とともに排気ダクトも必要になります。蒸気式を選択する場合は、蒸気配管の引き込みが必要です。


 

4. 業務用洗濯機の価格相場とコストの考え方

業務用洗濯機のコストは、容量、機能、導入台数、そして設置する建物のインフラ状況によって大きく変動します。特に業務用洗濯機 価格は重要な検討事項です。
 

4-1. イニシャルコスト(初期費用)

A. 機械本体価格の目安

容量クラス洗濯機(脱水機含む)の目安価格(税抜)補足事項
10kg〜15kg 100万円〜200万円 比較的小型施設・小規模事業所向け。熱水対応機能などで価格が変動。
20kg〜40kg 200万円〜350万円 病院・介護施設、中規模のホテルなど、最も一般的なボリュームゾーン。
50kg超 450万円以上 大型洗濯機。大規模なリネン工場や専門クリーニング工場向け。




B.トータルのイニシャルコストの目安

項目費用の目安(概算)補足事項
機器本体(20〜40kgクラス) 200万円〜350万円程度 熱水機能や高性能機は高価格に。
総初期費用 400万円〜800万円程度 本体価格と設置工事費の合計。動力電源、給排水、蒸気配管、排気ダクト、床の耐荷重工事費などインフラ工事の有無で大きく変動します。
 

4-2. メンテナンスについて

業務用洗濯機は停止すると業務に大きな支障をきたすため、初期の導入費用を多少かけてでも、耐久性や部品の供給体制が充実したメーカー・機種を選ぶことが、長期的なトータルコスト削減につながります。業務用洗濯機の定期的な清掃としてはエアフィルターの清掃や、排水弁の点検などがあります。それぞれの清掃や点検がしやすい機械を選ぶことも重要なポイントになります。
 

5. 人気メーカー比較(業務用洗濯機メーカー)

業務用洗濯機市場には、国内外の優れたメーカーが存在します。各メーカーの特徴を理解し、施設のニーズに最適なパートナーを選定しましょう。


業務用洗濯機 メーカー特長
山本製作所       国内専業メーカーとして、高耐久・高堅牢性を追求。長年の実績に裏付けられた豊富な容量帯のラインアップと、充実したサポート体制が強みです。長期のご利用を想定した設計で、部品の長期供給によりライフタイムコストでのメリットが大きいメーカーです。
AQUA
(旧SANYO)
コインランドリー向けの実績が非常に豊富。一般利用者が使いやすい全自動洗濯乾燥機や、高機能な機器を幅広く展開しています
TOSEI コインランドリー機器に強みを持つメーカーの一つ。使いやすさや設置環境に配慮した設計の機種も多く、幅広い施設に導入されています。
Electrolux Professional 海外ブランド。ホテル、リネンサプライ、大規模施設での導入実績が多数あり、国際的な衛生基準に対応した高機能機を取り揃えています。
アイナックス稲本 100年以上の歴史を持つランドリープラントの総合エンジニアリング企業。洗濯機・脱水機・乾燥機・仕上げ機など、プラント全体を設計から据付・メンテナンスまで手がける。環境配慮にも強み。洗濯水リサイクルユニット(ICR)など、省エネ/省水を支える技術を持つ。
ダイワコーポレーション 業務用ランドリー機器の販売会社。スピードクイーン(Speed Queen)などの世界標準ブランドを扱っており、耐久性・衛生性能に優れた機器を提供。
アサヒ製作所 業務用・産業用のクリーニング設備メーカー。洗濯機(連続式)、乾燥機、仕上げ機などを一手に製造。
 

6. 導入の流れとサポート

業務用洗濯機の導入は、単なる機器の購入ではなく、長期的な運用を見据えた投資です。最適な導入を実現するための標準的な流れと、導入後のサポート体制についてご案内します。

 
1.現場調査・ヒアリング
専門スタッフが現地を訪問し、1日の洗濯量、設置スペース、インフラ状況(電源容量、給排水など)を確認します。業務用洗濯機メーカーにとって、最適な容量と熱源を決定する最重要ステップです。

2.機種選定・見積もり
現場調査の結果に基づき、最適な容量・機能を持つ機種と、必要な付帯工事をパッケージ化した最終見積もりをご提示します。ランニングコストを考慮した提案を受け、イニシャルコストとのバランスを確認しましょう。

3.ご契約・発注
ご提案内容にご納得いただけましたら、ご契約となります。納期と工事スケジュールを確定します。

4.設置工事・試運転
機器の搬入、電気・給排水・ダクト・蒸気などの付帯工事を実施します。工事完了後、メーカー担当者による試運転と最終チェックを行います。

5.サポート体制
導入時にプログラム設定から洗剤や助剤の利用などのアドバイスを一般的に受けられます。業務用洗濯機メーカーもしくは代理店が実際の運用までのフォローとメンテナンスをサポートします。
 

よくある質問(FAQ)

Q1. 業務用洗濯機の価格相場はどのくらいですか?
A. 一般的な20〜40kgクラスで約200〜350万円です。設置工事を含めた総額は400〜800万円程度が目安です。
 
Q2. 業務用洗濯機メーカーを選ぶポイントは?
A. 耐久性・部品供給体制・サポートの3点が重要です。長期利用を前提に、アフター体制のあるメーカーを選びましょう。
 
Q3. 設置にはどのような工事が必要ですか?
A. 電源(三相200V)、給排水、状況によっては床の耐荷重工事が必要です。設置環境によってはボイラーや排気ダクトも追加になります。

Q4. メンテナンスの頻度はどのくらいですか?
A. 定期清掃(月1〜2回)と、年1回の点検を推奨します。メーカーによってメンテナンス契約プランを用意している場合もあります。
 
Q5. 導入相談はどこに依頼すればいいですか?
A. 業務用洗濯機メーカーや、専門の代理店に相談するのが安心です。現地調査を含めた最適提案を受けられます。


山本製作所について
 
創業78年以上の業務用洗濯機メーカーとして、国内外のホテル・医療施設・リネン工場などで導入実績を誇ります。
高耐久構造と長期部品供給体制により、ライフサイクル全体でコストを最小化。
導入からアフターサービスまで一貫対応し、現場の安定稼働を支えます。

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