業務用洗濯機・乾燥機と家庭用洗濯機・乾燥機の違い
はじめに
「自宅で業務用洗濯機を使ったらどうなる?」
「業務用洗濯機って、家庭用と何が違うの?」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
山本製作所は、長年にわたり業務用洗濯機・乾燥機の製造に携わってまいりました。本記事では、業務用洗濯機・乾燥機と家庭用洗濯機・乾燥機の根本的な違いを徹底比較し、それぞれのメリット・デメリット、そして導入時に知っておくべきポイントを詳しく解説します。
ご自宅での導入の現実性についても触れていきますので、ぜひご一読ください。
業務用洗濯機とは?家庭用洗濯機との根本的な違い
業務用洗濯機と家庭用洗濯機は、その設計思想、用途、そして性能には大きな隔たりがあります。「大きさだけが違う」という質問をよく耳にしますが、実際はそれだけではありません。
用途と目的の違い
•家庭用洗濯機: 主に一般家庭での日常の衣類洗濯を目的としています。少量の洗濯物を頻繁に洗うことに適しており、操作の簡便さや省スペース性が重視されます。
•業務用洗濯機: コインランドリー、病院、ホテル、介護施設、薬品工場、クリーニング店など、事業活動の一環として大量の洗濯物を効率的かつ専門的に処理することを目的としています。耐久性、洗浄力、処理能力、そして衛生管理が最重要視されます。
設置環境と電源
•家庭用洗濯機: 一般的な家庭用コンセント(100V)で使用でき、特別な設置工事は不要です。
•業務用洗濯機: 大型で非常に重く、安定した設置にはコンクリートの床にアンカーボルトでの固定が必須となる場合が多いです。また、業務用200V電源が必要となるため、電気工事を伴う専門的な設置作業が求められます。
主要な違いを徹底比較!
業務用と家庭用洗濯機には、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
1. 洗浄能力と乾燥能力
洗浄能力(汚れを分解するチカラ)
•家庭用: 一般的な衣類の汚れに対応し、衣類へのダメージを抑えるよう設計されています。そのため、機械の材質がプラスチックなどであるため高温にすることはできません。また、過酸化水素や次亜塩素、アルカリといった洗浄力の高い洗剤・薬剤の使用も不可能です。さらに、業務用のような大きな「たたき洗い」用のフィンも備わっていません。厚生労働省が定める殺菌に対する指針(次亜塩素・過酢酸での洗浄、もしくは80℃で10分以上の洗浄)も、基本的に家庭用洗濯設備では行うことができません。
•業務用: 大量の洗濯物に含まれる頑固な汚れや特殊な汚れに対応するため、【水質】【温度】【洗剤】【機械力(たたき洗い)】の4つの要素を増強させています 。高温に対する耐久性を有しており、洗剤の最大効力を持たせるための温度60℃までは耐えられます。家庭用では使用できない洗剤・薬剤のほとんどを使用でき、過酸化水素や次亜塩素などの使用も可能です。大きなフィンが3枚備わっており、強力なたたき洗いが可能です。乾燥時間削減につながる高い脱水率も特徴です。
乾燥能力(乾燥機)
家庭用:
・能力: 低く、時間がかかります。
・温度: 基本的に高温は不可能であり、大量の処理はできません。一般的には電気式乾燥機が多いですが、リンナイ「乾太くん」のようにガス式乾燥機も存在します。
・風合い: 加工剤(柔軟剤)による作用のみで表現されます。
業務用:
・能力: 高く、短時間で大量に乾燥が可能です。
・温度: 蒸気式乾燥機は110℃、電気式乾燥機は60-70℃、ガス式乾燥機は80℃と高温です。
・風合い: ドラムが大きい為、風の流れを利用することでフワフワにできます。山本製作所のガス乾燥機VG262では、脱水にもよりますがバスタオルが40-50分で乾きます。
2. 容量とサイズ、重量
容量
•家庭用: 大きくても12kg程度です。
•業務用: 10kg程度の小型から、20kgや30kgと幅広い容量のラインアップがあります。事業規模に応じて100kgを超える超大型まで多岐にわたります。
サイズ・重量
•家庭用: 一般家庭の限られたスペースに設置できるよう、コンパクトに設計されています。
•業務用: 大容量を実現するため、本体サイズは非常に大きく、重量も家庭用とは比較にならないほど重くなります。たとえば、容量が10kgの業務用洗濯機でも約500kgの重量があるほどです。このため、設置には十分なスペースと床の強度、そして搬入経路の確保が不可欠となります。
3. 耐久性と寿命・耐用年数
耐久性
•家庭用: 日常的な使用頻度を想定して設計されています。
•業務用: 毎日何十回、何百回と稼働することを前提に、頑丈な構造と高品質な部品が使用されています。
寿命・耐用年数
•家庭用: 1日1回転、年間約300回転で10年の利用が可能とされ、約3,000回転が目安です。国税庁の耐用年数表では法定耐用年数が6年とされています。
•業務用: 1日10回転、年間約3,000回転以上の継続的な利用が可能とされ、約30,000回転が目安です。法定耐用年数は13年とされており、回転数で約10倍、耐用年数で約2倍の差が生じます。
4. コスト(本体価格とランニングコスト)
本体価格
•家庭用: 数万円から数十万円程度が一般的です。
•業務用: 約70万円から、乾燥機能付きや大型モデルでは250万円を超えるなど、初期投資が非常に高額になります。
ランニングコスト
•家庭用: 水道代や電気代、洗剤代が主なランニングコストです。
•業務用: 200V電源を使用するため電気代がかかるほか、大量の水や洗剤を使用するため、これらもランニングコストとして考慮する必要があります。ただし、一度に大量の洗濯物を処理できるため、長期的に見ればコスト効率が良い場合もあります。
使い勝手とメンテナンス
使い勝手
•家庭用: 通常洗い、おしゃれ着洗いなど、いくつかあるコースから選択して開始するだけです。
•業務用: 多くの場合、販売業者が洗濯する品物についてヒアリングを行い、最適なコースを作成してくれます。一度設定してしまえば、家庭用洗濯機と同じように、コースを選んで開始するだけで洗濯が可能です。品物に応じて複数のコース設定を作成することもできます。
メンテナンスと部品供給
メンテナンス
•家庭用: 保証期間は1年間です。保証期間を超えて故障した場合、買い替えるケースが多いのが現状です。
•業務用: 電気部品は1年、ドラム等は3年と保証期間が家庭用よりも長く設定されています。保証期間を超えても、細かな部品ごとの交換修理で長く使用することが可能です。
部品供給期間
•家庭用: 製造打ち切りから6年までが部品の供給期間とされるケースが多い。
•業務用(山本製作所の場合): 電気部品以外は半永久的に供給が可能です。故障してしまっても部品が供給されていれば修理することで長く使い続けられるため、お客様に安心してご利用いただけます
業務用洗濯機を自宅で使うのは現実的か?
「自宅で業務用洗濯機を使いたい」という方もいらっしゃるかもしれませんが、一般のご家庭で業務用洗濯機を導入するのは非現実的です。
高額な初期費用、200V電源とアンカーボルト固定を伴う専門的な設置工事、そしてランニングコストの増加が主な理由です。加えて、業務用の大型機械のため家庭用よりも大きな音や振動が発生します。これらは、一般家庭での利用には適さない大きなハードルとなります。
山本製作所の業務用洗濯機・乾燥機が選ばれる理由
山本製作所は、長年の経験と実績に基づき、お客様のニーズに合わせた最適な業務用洗濯機・乾燥機を提供しています。
•高い耐久性と長寿命: 過酷な業務用環境にも耐えうる堅牢な設計と高品質な部品を採用しており、長い耐用年数を実現します。
•卓越した洗浄・乾燥能力: 独自の技術で、どんな汚れも徹底的に洗い上げ、効率的な乾燥を実現します。
•安心の部品供給: 導入後も安心してご利用いただけるよう、電気部品以外は半永久的な部品供給体制を確立しています。
•豊富な導入実績: 民間企業事業所、自動車整備工場、老人介護施設、病院・医療関係、旅館・ホテル、学生寮・社員寮、酒造所、プロスポーツクラブ、劇場など、様々な業種で多数の導入実績があります。お客様の事業規模や用途に合わせた最適なご提案が可能です。
まとめ
業務用洗濯機と家庭用洗濯機は、それぞれ異なる目的と用途のために設計されており、容量、洗浄・乾燥能力、耐久性、コスト、設置要件、そして法令遵守において大きな違いがあります。価格の手軽さや手軽な取り回しでは家庭用設備が優位ですが、衛生管理の徹底や大量の洗濯物を効率的に処理するという点では、業務用設備が非常に有用です。
近年、働き方改革や人手不足といった課題に直面する多くの事業所にとって、業務効率化は重要な経営課題となっています。そうした観点からも、業務用洗濯機の導入は増加傾向にあります。また、衛生面での厳しい管理は企業の責務ともいわれており、今後も業務用洗濯機へのニーズは一層高まることでしょう。
山本製作所は、お客様の多様なニーズに対応できる幅広い製品ラインナップを取り揃えておりますので、適切な洗濯機選びにおいて、皆様のお役に立てれば幸いです。お客様の事業を強力にサポートいたしますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
OPL(自社設備用ランドリー)に
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