業務用洗濯機の「容量」について

業務用洗濯機の「容量」ってどう決まっているの?—JIMS規格と国際基準を詳しく解説!

業務用洗濯機を選ぶとき、もっとも注目される項目のひとつが「洗濯容量」です。
でも、家庭用と違って業務用には「この容量ならこれだけ洗える」と明確に定まった基準がないことも多く、初めて導入を検討する方にとっては混乱しやすいポイントでもあります。
この記事では、山本製作所でも採用している「JIMS規格」を中心に、業務用洗濯機の容量の考え方について詳しくご紹介します。家庭用との違いや国際基準との比較、さらに衣類の枚数に換算したイメージなど、導入時に役立つ実用的な情報をお届けします。


 

容量ってそもそも何?家庭用と業務用では違いがあります

まず最初に、洗濯機の「容量」とは、1回の運転で処理できる洗濯物の「乾燥重量」のことを指します。
しかし、この「容量」には注意が必要です。というのも、家庭用と業務用では基準となる考え方や表示方法が異なるからです。
 

家庭用洗濯機の容量基準

家庭用洗濯機では、主に以下の規格が使われます。
規格内容
JIS(日本産業規格)       主に日本国内で使われている基準。一定の衣類構成(シャツ・バスタオルなど)を使って容量を評価します。
IEC(国際電気標準会議) 世界的に使われている評価基準。洗濯性能、すすぎ性能、脱水効率なども含めて評価されます。

家庭用では、洗濯機の容量(例:10kg)=「この洗濯機で一度に洗える衣類の乾燥時の質量」です。
一方で、業務用洗濯機はどうでしょうか?



 

業務用洗濯機には明確な容量基準がない?JIMS規格が登場した理由

業務用洗濯機の世界では、容量の定義がメーカーごとに異なるという問題がありました。
かつては「大きく見せるために多めに表記する」「慎重に少なめに見積もる」といった具合に、統一された基準が存在しないまま、各メーカーがバラバラに容量を表記していたのです。
これにより、導入を検討するクリーニング業者や施設、ホテルなどの現場では、以下のようなトラブルが起きていました。

 •実際の処理量と容量表示がかみ合わない
 •同じ「20kg」と書いてあっても、メーカーによって洗える量が違う
 •導入後のトラブルや誤解による機種選定ミス

こうした課題を解決するために1975年に制定されたのが、JIMS(Japan Industrial Machinery Standard)です。



 

JIMS規格とは?業務用洗濯機の容量に統一基準をもたらす国内規格

JIMSは、日本産業機械工業会・業務用洗濯機分科会が制定した業務用洗濯機の標準負荷量(=容量)を定めた国内独自の業界規格です。

なぜJIMSが必要だったのか

JIMSが制定された背景には、以下のような業界の問題意識がありました。

 •メーカーごとの基準のバラつきを是正したい
 •正確で公正な容量比較ができるようにしたい
 •実用性に即した設計・機種選定を可能にしたい

そしてこの規格は、30年を超える実績とともに2000年代に見直しが実施され、現在も改善が継続されています。SI単位(kg・m)への移行など、時代の要請にも対応しながら精度の高い基準として進化してきました。
 


IMS規格で定義される「標準負荷量」とは?

JIMSでは、以下の式により洗濯機の容量(標準負荷量)を計算します。
 

 •Q:標準負荷量(kg)
 •f :負荷率(kg/m²)
 •D:内胴の直径(m)
 •L:内胴の長さ(m)
 
洗濯機械の負荷率の例
 •洗濯脱水機:f = 45 + 30D ただし最大値は90とする
 •乾燥機:f = 40
 •ドライクリーニング機:f = 50 など
 
このように、ドラムの実寸を使って客観的に処理可能な重量を求める方式であるため、JIMSによる表示は実運用に即した数値として信頼性が高いのが特徴です。



 

山本製作所では「JIMS+国際スタンダード」の2軸で容量を表示しています

山本製作所では、国内市場における正確な処理量の目安としてJIMSによる「標準負荷量」を掲載しています。
一方で、国際市場(特にアジア・欧州)で一般的に使われている容量表示にも対応。これは、次のような経験則に基づいたものです。

海外基準での容量目安(慣例値)
 •水洗機:ドラム体積の1/10(例:200L → 約20kg)
 •乾燥機:ドラム体積の1/20(例:200L → 約10kg)

これはIECのような公式規格に明記された値ではありませんが、世界中の業務用洗濯機メーカーが採用している実務慣行(industry practice)です。山本製作所では、洗濯機、洗濯乾燥機、乾燥機の新しい製品シリーズのカタログ(8月発行予定)より、海外市場でも比較しやすいよう、この「国際慣例による容量」と「JIMSによる実用容量」の両方を併記しています。




 

【実用データ】洗濯物の容量目安はどれくらい?

洗濯機の容量(kg)をイメージするには、衣類の種類ごとの「乾燥重量」を知ることが重要です。以下は目安です。
衣類の種類1枚あたりの乾燥重量10kgで洗える目安
フェイスタオル 約0.2kg 約50枚
バスタオル(大) 約0.6〜0.8kg 約12〜16枚
ワイシャツ 約0.2kg 約50枚
作業服(上着+ズボン) 約1.0〜1.5kg 約6〜10着
シーツ(シングル) 約0.5〜0.6kg 約16〜20枚
デュベカバー 約0.8〜1.0kg 約10〜12枚


洗濯機の容量には家庭用のJISやIEC、業務用のJIMSや国際基準など複数の表示方法があり、山本製作所では国内外のニーズに対応するために、新しい洗濯機、洗濯乾燥機、乾燥機より両基準を併用し、衣類ごとの重量目安とあわせて、より正確で実用的な容量設計・運用を可能にしています。
 
今回ご紹介した洗濯機の容量に関する情報が、機種選定の参考になれば幸いです。
 
山本製作所では、業務用洗濯機の導入をご検討の際に、用途に応じた最適な機械選定や、コストシミュレーションのご提案も行っております。
ご不明な点やご相談がありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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